90年代田中オムとは?
今回は90年代の田中啓一さんがデザイナーを務めていた頃のコムデギャルソンの魅力について紹介します。
田中啓一さんは1990-2003年の間、オムのデザイナーとしてコムデギャルソンに在籍していました。
そのころの間は通称「田中期」や「田中オム」と呼ばれています。
田中啓一(たなかけいいち)氏 略歴
1955年 東京都生まれ 1977年 東海大学工学部卒業後「鷺宮製作所」に入社しエンジニアとして3年間勤務 1980年 文化服装学院アパレルデザイン科入学 1983年 文化服装学院卒業後「NICOLE|ニコル」に入社し「MONSIEUR NICOLE」に6年間勤務 1990年 コムデギャルソン入社「COMME des GARCONS HOMME」「COMME des GARCONS HOMME HOMME」のデザイナーに就任 2003年 退職 2010年 春夏より独自のブランドKONTRAPUNKT|コントラプンクトスタート
経歴を見てもエンジニアとしてのバックボーンを持っており、デザイナーとしては異色な人物です。
そんな彼が担当していたコムデギャルソンのデザインにはいくつかの特徴があります。
田中さんが当時、洋服をデザインする上で大切にしていたことは
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大人が着て恥ずかしくない
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それでいてどこか新しさがある服であること
の2点です。
シンプルで男らしい洋服でありながらどこか新しさがある。
それは前衛的で予測不可なオムプリュスとは一見対極の存在にみえるが、随所にコムデギャルソンのDNAを持っており、さりげないデザイン表現は時代にとらわれない側面も持っています。
デザインの特徴
デザインの特徴はなんといってもさりげない美学だと思います。生地の切り返しや、ロゴのスプリットなど、決して派手なデザインではないですが記憶に残るようなデザインです。
代表的なデザインを紹介します。
【ずらしロゴ】
コムデギャルソンのロゴをずらすことでブランドらしさを表現したデザインです。こちらはSUPREMEとのコラボの際にサンプリングされました。
【開襟シャツ】
60年代によく見られた開襟シャツにゆとりを持たせ、生地の切り替えやボタンの大きさで遊びを効かせたデザイン。ゆとりがあるため着用しやすく、質も非常に高いです。他にもデイリーユースに最適なニットやカーディガンも代表的なアイテムです。
タグによる年代判別 田中期
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シャツやニットなどはグレーに白文字の時代が90年代前後のもの
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ジャケット類は黒に金字のものが90年代前後のもの
この頃のコムデギャルソンオムは、いま着ても遜色なく合わせれるようなベーシックなものばかりですので、ぜひ古着屋に行った際は見つけてみてください。
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