少し前までは古着のスウェット=チャンピオンのリバースウィーブが定番でした。
昨今、リバースの人気も落ち着きを見せ始め新たな古着が注目を浴びています。
ラッセルとカニエウエスト
音楽はもちろんのこと、ファッションにおいてもYe(カニエウエスト)の感性は誰よりも時代が早いことを感じさせられます。
2017年、彼がラッセルのフーディーを着用している姿が撮影され、その後のYEEZY×GAPのコラボで似たシルエットのアイテムが発売され大ヒット。多くの人はスポーツブランド由来とは気付かぬまま、このシルエットを「今っぽい」と感じ取りました。
引用:GQ
こんなこともありラッセルの90年代 スウェットシャツは市場での人気急上昇とともに相場もじわじわ上がっており、以前は古着屋の片隅で手頃に見つかったものが、今では“探して買う”アイテムに変わりつつあります。
引用:farfetch
ラッセルアスレチックスは1902年創業の米国老舗スポーツウェアメーカー。耐久性の高い作りと実用性に優れたデザインで知られ、特にスウェットシャツはアメリカ製の質感とタフさを象徴する存在でした。その中でも90年代の前Vガゼット付きモデルは、今のファッション感覚にもしっくりくるシルエットやディテールが魅力です。
ポイント①:短丈 × 太め袖のシルエット
90年代のラッセル前Vスウェットは、普通のスウェットと比較すると着丈が短く、袖幅が広いという独特のシルエットが特徴です。
この短丈は着用時のバランスが取りやすく、ハイウエストのデニムやワイドパンツ、スラックスと合わせても全体がもたつきません。また肩回りと袖にゆとりがあるため、着た時に自然なドロップショルダーが生まれ、丸みのあるフォルムが完成します。
このシルエットは、オーバーサイズブーム以降のストリートファッションとも相性が抜群。特にインナーにシャツやロングTシャツを重ね、裾をのぞかせるレイヤードスタイルは、90年代当時よりも現代的なニュアンスで楽しめます。
ポイント②:前Vなどのヴィンテージディテール
首元に付けられた前Vガゼットは、スウェットの歴史を象徴するディテール。もともとは首まわりの伸び防止と汗止めのために施されたパーツですが、90年代のラッセルにはまだ実用性を意識した作りが残っています。
加えて、袖口や裾のリブも肉厚で耐久性が高く、着込むほどに馴染み、経年変化によるフェードやヨレが独特の味わいを生みます。
素材はコットン50 ポリ50となっており、実用性にも長けている素材です。
ポイント③:豊富なカラーバリエーション
ラッセルの前Vスウェットは、スポーツチームやカレッジのユニフォーム供給を背景に、多彩なカラー展開がなされていました。定番のグレーやネイビーに加え、バーガンディ、マスタード、グリーン、パープルといったビビッドから渋色まで揃っています。90年代特有の発色の良さは、色落ちしても美しく、むしろ褪色によるムラ感が古着としての価値を高めたりします。
このカラーバリエーションの豊かさは、同じモデルでも色違いで集めたくなる理由のひとつ。モノトーンコーデの差し色としても、ワントーンスタイルの主役としても活躍します。
90年代ラッセル前Vが現代にフィットする理由
カニエ・ウェストらの着用によって改めて評価されたラッセルの90年代前Vは、単なるトレンドアイテムではなく、デザイン・機能・耐久性の三拍子が揃った名品といえるでしょう。
短丈×太袖のバランスは現代のファッションに自然に溶け込み、前Vディテールや豊富なカラーは着こなしの幅を広げます。
まとめ
今回はラッセルのスウェットを紹介しました。
特に無地のものはワードローブで長く愛用できる相棒になります。2020年以降の人気上昇で入手難易度は高まっていますが、それだけ価値のあるアイテムです。90年代の名品として、そして現代のファッションに通じる一着として、強くお勧めできる一品です。
現行品でもこのディテールは存続しており、どの人のワードローブにも合うような万能アイテムであることは間違いありません。
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