定番モデルをあえて古着で楽しむという視点
その中でも、Ray-Banの「ウェイファーラー」は定番中の定番。
どこかで見たことがあると思わせるデザイン――それもそのはず、50年以上にわたり多くの人々に使われてきたロングセラーモデルだ。
ロングセラーモデルだからこそ“ヴィンテージ”という選択肢がある。
現行品と比べて作りがやや重く、ディテールに個体差がある。けれど、それがいい。
一つの完成されたデザインを、時代ごとの“味”で選ぶ。そんな楽しみ方がウェイファーラーにはあると思います。
ウェイファーラーとは?
Ray-Banが1952年に発表した、プラスチックフレームの代表作。
それまで主流だった金属製サングラス(いわゆるアビエーター型)とは異なり、台形のフォルムと太めのリムが特徴だ。
50年代当時としては斬新だったが、俳優やミュージシャンに多く愛用され、現代のサングラスの定番と言われるまで定着していく。
以降、さまざまな映画やストリートカルチャーにも登場し、“Ray-Ban=ウェイファーラー”というイメージを決定づけた。
ヴィンテージを選ぶ意味
では、なぜあえて「ヴィンテージ」を選ぶのか?
答えはシンプルで、現行品とは若干ではあるが細部の作りや素材感に違いがあるからだ。
1980〜90年代頃までは、Ray-BanはアメリカのBausch & Lomb社が製造しており、この時代のモデルは「B&L」刻印がある。
B&L刻印
レンズにはガラスが使われ、やや重みがあるが、逆にそれがしっくりくるという声もある。
プラスチックの質感も、ややマットで硬め。見た目にも、現代の大量生産品とは違う印象を与えてくれる。
もちろん、現行の軽量モデルに比べれば扱いづらい部分もある。
でも、それが気にならない人にとっては、ちょっとした“らしさ”として楽しめる。
フレームの刻印には「B&L RAY-BAN U.S.A.」などが入り、この年代のディテールが見分けのポイントとなる。
USA刻印
モデル名刻印
テンプルのロゴ(50年代最初期モデルはロゴなし)
現行品(Luxottica社製)との違いとしては、以下の点がよく挙げられる:
- B&L製はガラスレンズ、現行はポリカーボネート
- フレームがやや厚めで直線的
- ノーズブリッジやテンプル刻印の仕様が異なる
自分が使っているのは80年代後半の「WAYFARER II」。
サイズはやや大きめで、フロントの厚みも現行モデルよりしっかりしている。
レンズはグリーン系のガラスで、屋外では光の反射に少し深みが出る。
WAYFARER II(私物)
細かいスレやフレームの艶ムラもあるが、使用には問題なし。
むしろそうした“使い込まれた感”が、落ち着いた雰囲気につながっている。
人によってはそれが「こなれた印象」に映るかもしれない。
現行モデルとの違いはある?
見た目は大きく変わらないが、素材と重さ、レンズの透明感が異なる。
現行モデルは樹脂素材で非常に軽く、普段使いには適している。
一方で、ヴィンテージは全体に厚みがあり、ガラスレンズ特有の視界が特徴的だ。
レンズ部分にはレイバンのブランド刻印はなく、よりミニマムな印象を与える
まとめ:定番モデルの“もう一つの楽しみ方”
長い歴史の中でRay-Banのウェイファーラーは、サングラスの王道とも言える存在だ。
その完成されたデザインは、いつの時代でも違和感なく顔になじむ。
そんな定番モデルだからこそ、「ちょっと古い個体を選ぶ」という楽しみ方もある。
派手さやレア感を求めなくてもいい。
ほんの少しの違いを感じながら、いつものスタイルに自然に馴染む。
ヴィンテージウェイファーラーは、そういう選択肢としておすすめできる一本だ。
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