チノパンってなんだかおじさんくさい。 そんなイメージ、ないでしょうか?
カジュアル寄りに振れると野暮ったい。
ミリタリーすぎると無骨さが強すぎる。
大人っぽくしたいのに、微妙に“安っぽさ”が出てしまう。
分かります!私もこれらの理由でいままで履いてきませんでした。
ましてや私は古着中心に服を選び、どちらかといえば オリジナルヴィンテージ主義。
レプリカブランドを買うという選択肢はあまりしてきませんでした。
そんな私が、これめちゃくちゃいいじゃんと久々におもった一本。
それが Buzz Rickson’s(バズリクソンズ)BR41860 です。
「ただのチノパン」で片づけるのは失礼なくらい完成度が高い。
① Buzz Rickson’sとは?
トーヨーエンタープライズが展開する Buzz Rickson’s は、
“ただのレプリカ”ではなく 資料主義・実物主義でミリタリーを再構築するブランド。
本日紹介するBR41860 は、USAAF のトラウザーをベースにしつつ、現代のファッションとして成立するようリビルドした一本。
随所にバズリクソンズのこだわりを感じる作りとなっています。

②ウィリアム・ギブソン・コレクションとは?

その中でもこのパンツはウィリアム・ギブソン・コレクションという位置付けで販売されています。
SF作家 ウィリアム・ギブソンは、著書『パターン・レコグニション』の中で
“黒い Buzz Rickson’s の MA-1” を登場させたことで知られている。
歴史上、黒のMA-1は存在しない。
しかし、小説から火がつき、現実のBuzz Rickson’sがブラック仕様のMA-1を製作。
そこから展開されたのが、このブラック中心のウィリアム・ギブソンシリーズだ。
BR41860もその流れを汲む一本。
軍物のリアルを追求しつつ、
フィクションを由来とする“黒の世界観”を取り入れた特別なシリーズ。
ミリタリーウェアに独自性が宿っているというのが、最高に面白い。
ディッキーズのように履ける。でも“もっと上品”
私が買って一番気に入ったポイントがこれ。
・ワークパンツとしての汎用性
・トラウザーの品の良さ
ディッキーズ874のようにガシガシいけるスタンスで履けるのに、
ワイドすぎないシルエットはもっと綺麗で大人っぽい。
「ゆとりがあるけど、だらしなくならない」
この感覚は、まさに “今のトレンド” と相性がいい上にトレンドすぎない。
シルエットに“品の良さ”があり、生地には“深み”があります。
肌触りの良いコットンが採用されており、色味がとにかく深い黒色です。
同じ「太めのパンツ」でも、ディッキーズのようなワーク系とも違う。
かといってトラウザーの“キレイすぎる感じ”もない。
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言うなれば —
“ミリタリーのタフさ”と“トラウザーの上品さ”が同居しているパンツ。
生地の密度、パーツの質感、縫製の正確さ。
どれを見ても 日本ブランドらしい丁寧さが見えます。
ディテールとしては2本針巻き縫いや両玉縁ポケットなど、
当時でも限られた縫製工場でしか再現できなかった仕様を採用している点。
「こういうモノづくりをしているなら、レプリカとか関係ないな」と素直に思えた。
これはもう“復刻”ではなく、
Buzz Rickson’s の職人の答えとして作られた一本だろう。
着用感
174cm / 55kg
サイズ:32


ウエストはちょうど良く、太腿に適度なゆとり
裾にかけての落ち方が綺麗で、適度なワイド感。
ワイドパンツの快適さは残しつつ、
シルエットの収まりが驚くほど上品。
まさに“今の大人”に必要なバランス感。
結論:BR41860 は「チノパンの正解」だった

Buzz Rickson’s BR41860は、
チノパンのカテゴリに収まらない完成度を持つ一本。
オリジナル主義の僕が
「これは買って良かった」と素直に思えたパンツは久々だった。
チノパン選びに迷っている人、
ワイドパンツに飽きてきた大人、
デイリーユースの黒パンツをアップデートしたい人。
そのすべてに、胸を張っておすすめできる。
「チノパンの正解」は、意外とここにありました(しかも安い)


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